NO.10
書  名 バフェットからの手紙
(世界一の投資家が見たこれから伸びる
会社、滅びる会社)
著者/訳者 ローレンス・A・カニンガム / 増沢 浩一
発行所 パン・ローリング
価  格 1,600円
 
 
 

「バフェットからの手紙」からの抜粋


 


  私の友であり師でもあるベン・グレアムは、投資で成功するためには市場の変動に対する心構えがもっとも大切な要素であるとかつて言ったことがありますが、私もそう信じています。彼が言ったのは、「市場の値付けというのは、あなたの個人事業のパートナーである、ミスター・マーケットという名の非常に世話好きな男によってなされたものだと考えなさい」という言葉です。ミスター・マーケットは必ずや毎日現れて値付けをして、その価格で彼があなたの持ち株を買うか、彼の持ち株をあなたが買うのです。
  たとえあなたたち二人に介在する企業が安定した財政状況にあったとしても、ミスター・マーケットの値付けはそれをきちんと反映しません。悲しいかな、彼は気の毒なことに矯正不能の感情的問題を抱えているからです。時としてやたらと上機嫌になり、企業にとって好ましい要素しか見えなくなってしまいます。そういう気分のときには非常に高い売買価格を付けます。あなたが彼の持ち株をひったくり、かれからささやかな含み益を奪い取ってしまうのを恐れてのことです。また時として彼は落ち込んで、企業と世界の先行きに暗雲しか見えなくなってしまいます。そういうとき彼は、あなたが持ち株を自分に対して大量に売ってくるのではないかとおびえて、非常に低い価格を付けます。



  投資での成功は、株価やマーケットの動きに応じてコンピュータが瞬時に出す売買サインや不可解な公式などによって生み出されるものではないと私は考えます。それよりも投資家として成功するためには、優れた企業判断と自分自身の考えや行動を市場に渦巻く強い感情から隔絶できる能力との両方を備えることが必要なのです。私が自分自身を市場の感情から隔絶しようとするとき、ベンのミスター・マーケットの話をしっかり心にとめておくことがとても役立っています。

 

 
 
 
鉄 太 郎 の ナ ル ホ ド と 納 得
 

 

<ミスター・マーケットの対処方法>

■ミスター・マーケットは、あるときは悲観主義者であり、あるときは楽観主義者である。彼が悲観主義者の時に株を買い、楽観主義者の時に株を売ることを心がけるとミスター・マーケットに負けることはない。
ただし、彼の悲観主義又は楽観主義の期間が何ケ月続くか何年続くかは分からないので注意を要する。

■ミスター・マーケットが思いもよらない高値を付ける場合も、安値を付ける場合も、彼は一般投資家の知らないことを知っていることがある。高すぎると思って売ることも、安すぎると思って買うことも危険である。
しかし、彼の付ける安値も高値も適正なところでストップすることはない。必ず、行き過ぎるのである。
彼が行き過ぎを反省して、値段を戻すところを狙えば、かなり確実な成果を得ることができる。

■ミスター・マーケットは確かに躁鬱病であるが、躁のときは、「それいけドンドン」の教祖となり、市場のほとんどの人を躁にしてしまう。鬱のときは「世界は終わりだ」の教祖となり、市場のほとんどの人を鬱にしてしまう。彼の呪縛に陥らぬよう毎日呪文を唱えよう。「ミスター・マーケットは躁鬱病だ。彼の暗示には引っかからないぞ」