NO.103
書  名 ゲイリー・スミスの短期売買入門
著者/訳者 ゲイリー・スミス/長尾慎太郎
発行所 パンローリング
価  格 2,800円
 
 
 

「ゲイリー・スミスの短期売買入門」からの抜粋


 


(チャートをごみ箱に捨てる)

  チャートをごみ箱に捨てるのをトレーダーに期待しているわけでも、奨励しているわけでもない。ただここで指摘しておきたいのは、読者がトレーダーとして特定のトレーディングツールや方法論を使ってうまくいっていないのであれば、ほかのものに変えたほうがよい時期なのではないかということである。あなたとそのツールや方法は、相性が合うようにできてないのかもしれない。トレーダーのなかには、ある方法論を究めようと一生を捧げたにもかかわらず、まったくその努力が報われない人がいて驚かされることがある。
  RSI(相対力指数)、ADX(平均方向性指数)、MACD(移動平均収斂・乖離法)とストキャスティックスなどのオシレーターも、チャートといっしょに捨ててしまった。エックハートのオシレーターについての次のコメントには、全面的に賛成である。「これらの指標はほとんど無価値である。……こうした指標が儲けにつながるチャンスはゼロに近い。相場が揉み合っているときにはパターンを作るのだが、上下へのトレンド相場になるとパターンが失われてしまうのである」


(マーケットのセンチメント)

  取引を徹底的に検証したときに得た最も有益な発見は、トレーディングゲームの真髄はマーケットのセンチメントにあるということだ。マーケットのセンチメントという概念にぶつかったのは1984年で、ちょうど何が価格を動かしているのかを必死に探し求めて、占星術から波動分析にいたるまでの方法論の迷路をさまよっていたころであった。アール・ハダディの『コントラリー・オピニオン(Contrary Opinion)』を買ったのはその時期であった。
  この本は、トレーディングゲームにおいて、なぜ従来からの知恵がほとんどすべての場合、間違っているのかを説明してる。すなわち、投資家の大多数が強気であれば必ず相場は下落し、投資家の大多数が弱気であれば相場は上昇するというのである。この本には非常に興味を引かれた。というのも私はファンダメンタル上の、あるいはテクニカル上のお膳立てが「完全に」整っている取引に加わったことは無数にあるが、ほとんどの場合で即座に資金を失う結果になったからである。


(トレーディング指標)

  トレーディングは不確実性のゲームである。しかし、たいていのトレーダーはこの不確実性を確実なものにしなければ気がすまないようだ。その結果、状況の変化を見つけるのが目的のはずの指標に必要以上に頼りすぎることになる。トレーディングの場から不確実性を取り除きたいという彼らの気持につけ込むのが販売業者である。だから魔法の指標をベースにした聖杯システムの売れ行きが好調になる。
  トレーディング指標について、私が極めて強く感じているのは、指標を正確で、絶対的で、黒白のはっきりしたトレーディングのシグナルとして使ってはいけないということだ。指標は、せいぜい将来の価格の動きの手掛かりか、ヒントとして使われるべきなのだ。したがって、指標の解釈はサイエンスというよりはるかにアートに近いものである。トレーダーが自分の愛用する指標のとりこになって、自分自身で考える能力を失ってしまうケースはあまりにも多い。トレーディングで重要なのは指標ではなく、マーケットが何を語っているかということである。



※ ( )内タイトルは勝手につけました。


 
 
 
鉄 太 郎 の ナ ル ホ ド と 納 得
 


「相場が揉み合っているときにはパターンを作るのだが、上下へのトレンド相場になるとパターンが失われてしまう」という記述にはびっくりしてしまった。勝ちパターンの分析を行って得た結果は、ほとんどのパターンは、大きなトレンドが発生したときに有効でなくなるということだったから。