NO.104
書  名 私は株で200万ドル儲けた
著者/訳者 ニコラス・ダーバス/長尾慎太郎・飯田恒夫
発行所 パンローリング
価  格 2,200円
 
 
 

「私は株で200万ドル儲けた」からの抜粋


 



(企業の業績報告書)

  「企業の業績報告書を検討したり、業界展望や格付け、株価収益率を研究したりすることに、どれほどの価値があるのか」――。わたしを窮地から救ってくれたのは、まったく知らない会社の株だった。わたしがそれを選んだのは、その株がずっと上がり続けるように思えたという、ただそれだけの理由だった。
  これが答えなのだろうか。おそらくそうだろう。



(純粋にテクニカル分析で臨むのが有効)

  マーケットに対して純粋にテクニカル分析で臨むのが有効だと納得するのに、この経験が何よりも役立った。つまり、価格動向と出来高を注意深くチェックし、ほかのすべての要因は無視することで、よい結果が得られるであろうということだ。
  そこで、このやり方に切り換えた。注意を価格と出来高のみに向け、うわさや秘密情報、ファンダメンタルズに関する情報はすべて無視するようにした。価格が上昇しても、その裏にある理由を詮索するのはやめようと決意した。ある企業についてファンダメンタルズが好転するような事情が生じても、それを知った多くの人々がその株を買いたがるだろうから、すぐに株価と出来高の上昇になって表れるだろう。エム・アンド・エム・ウッドワーキングのときのように、こうした上向きの変化をごく早い時期に見つけだせるように目の訓練ができれば、理由を知らなくてもその株式の値上がりに参加できる。



(ボックス)

  本を読み、株価表をチェックし、数百枚のチャートを吟味した。研究をしているうちに、株式の動きについて以前は知らなかったいろいろなことが見え始めた。株の動きは必ずしも完全にでたらめなものではないことを理解し始めた。株は風船と違って、どんな方向にでも飛んでいくというものではない。株は磁石に引き寄せられるように上のほうへ、あるいは下に向かってトレンドを描く。ひとたびトレンドが形成されれば、そのトレンドは持続する傾向がある。トレンドを描く株式は一連のフレームのなかで変動しており、この枠ひとつひとつをわたしはボックスと呼んだ。


(基本的な戦略)

  基本的な戦略としては、いつも次のことを実行しようと決心した。それは、株価が上昇トレンドにあるときは、その動きに沿ってストップロス・オーダーという保険を掛けながら後追いして行くこと、そしてそのトレンドが持続する場合は買い増しをすることだ。トレンドが反転したらどうするのか。泥棒のように逃げ出すしかない。


(良い株とか悪い株などというものは存在しない)

  株式には、冷静な、感情抜きの態度で接しなければならない。つまり、株価が上昇するときに愛情を抱くようになってはいけないし、下落したからといって腹を立ててはならない。この世に、良い株とか悪い株などというものは存在しないのだ。存在するのは価格が上がっている株式と値下がりしている株式だ。上昇している株は持ち続け、下落するものは売り払う。


(経験を通じてしか学べない)

  間違い原因リストで得た経験は、わたしが投資家として一人前になるうえで、最も重要な経験のひとつに数えられる。この経験は、本からでは得られないものだ。これは車を運転するようなものだ。運転を習う人はアクセルやハンドル、ブレーキの使い方を教わるが、それ以上は実際に自分で運転感覚を身につけなければならない。前の車に近づきすぎるとか、減速しなければならないのはどんな場合かなどの判断は、だれにも教わることはできない。経験を通じてしか学べないものなのだ。


(株式は収益力という主人に仕える奴隷)

  株式は収益力という主人に仕える奴隷だというのは事実だと思った。したがって、どんな銘柄でもその動きの背後には無数の理由があるだろうが、注目するのはただ一点だけに絞ろうと決心した。それは収益力の改善、あるいはその見込みがあるかどうかということだった。そのためにはテクニカル分析とファンダメンタル分析のそれぞれの手法を結合する必要があると考えた。銘柄の選択は市場におけるテクニカルな動きに基づくが、その銘柄を買うのはファンダメンタルズを根拠にして収益性の改善が認められる場合に限ることにしようと考えた。


(高値圏取引)

  世界中を飛び回りながら、わたしは将来性から考えて成層圏まで跳ね上がりそうな株を絶えず物色していた。これはいわゆる高値圏取引と呼ぶ手法の準備段階だった。新高値を付けそうな銘柄を探し、それが発射台に乗せられて打ち上げ準備が整えられるのを、精神を集中して観察した。こういう銘柄の株価は以前よりも高くなっているだろうし、特に初心者の目には高すぎて手が出ないだろう。しかし、その株価はさらに高騰する可能性がある。高く買って、それをもっと高く売ろうと思った。苦労して得た訓練成果を発揮して、高額な割にはお買い得な、動きの速い株を探そうと一生懸命だった。最初にマーケットが好転する兆しが見えた時点で、こういう株が値上がりするのは間違いないと思ったので、絶えず気を配っていた。


(主導株)

  しかし、うすうすと感じていたことがひとつあった。それはマーケットの以前の主導株は、おそらく二度と主導株になることはないだろうということだった。過去の銘柄はすでにその役割を果たし終えたので、投資家に大金を稼がせた、かつてのあのまばゆいばかりの高値に達することは、少なくとも当分の間はないと思った。


(システムには断固従わなければならない)

  ニューヨークに戻った1959年2月の第3週、狂気の時代のショックから完全に立ち直って、マーケットへの取り組みを再開した。
  バカげた行動によって受けた傷跡はまだすっかり癒えてはいなかったが、ひどい経験をしたあとでいっそう力がついたような、爽快な気分になった。わたしにとって最後となる教訓を学んだのだ。自分で作り上げたシステムには断固従わなければならない。一度でもこの道を外れると災難に巻き込まれる。わたしの財政の基盤は危機状態に陥り、やがてトランプで作った家のように崩壊するだろう。



※ ( )内タイトルは勝手につけました。

 

 
 
 
鉄 太 郎 の ナ ル ホ ド と 納 得
 


  ニコラス・ダーバスが、株式売買で200万ドルを儲けたのは、およそ40年前のことである。彼が会得した株式売買で儲ける秘訣は、現代でも立派に通用するものである。

  □企業の業績報告書を検討したり、業界展望や格付け、株価収益率を研究したり
    することは、儲けることとは関係ない。
  □うわさや秘密情報、ファンダメンタルズに関する情報はすべて無視しなければ
    ならない。
  □株価の上昇と出来高の上昇を伴わずに株は大きく上がることはできない。
  □買った株に感情(愛情または立腹)を持ってはならない。
  □株価の預言者にはなれない。
  □高くなった株は更に高くなる可能性を持っている。
  □自分が作り上げたシステムには断固従わなければならない。