NO.23
書  名 「相場は狂せり」
(野村證券創始者・野村徳七の生涯)
著者/訳者 木村 勝美
発行所 徳間書店
価  格 1,456円
 
 
 

「相場は狂せり」からの抜粋


 


  相場の動きを記したグラフ、いわゆる罫線を利用した相場観を、徳七はチョウチン筋のやることと、極端に嫌った。
  相場の前途を罫線で読む投資姿勢を否定する徳七の相場観の基本を、平山亮太郎は『社友』誌で、こう証言している。
 (−−−わしは子供の時分から相場を張っているが、ケイ線等みたことがない。あんなもんで相場を張るのはチョウチン筋のやることだ。他人の力を利用して人にチョウチンをつけ、金もうけをしようという考え方だ。少なくとも、野村證券という大きな経営をやっている者が、ケイ線にとらわれるようではダメだ。相場は科学調査と度胸、この二つが大切なんだ、といっていました)
  チョウチンとは、仕手筋の介入に気付いた大衆投資家が、便乗買いに出ることを指す、証券界の隠語である。 当時、酒田五法と呼ばれる罫線の見方がはやっていた。酒田五法には、三山、三川、三空、三平、三法の五つの法則があり、いずれも相場の先行きを予測するシグナルとされていた。

 

 
 
 
鉄 太 郎 の ナ ル ホ ド と 納 得
 


  野村徳七は、会社の存続が危ぶまれるような深刻な不況を何度も掻い潜ってきた。彼の信念には「窮通思想」というものがあって、不景気も極度に達すると、おのずから景気の道が開けてくるという考え方である。
  この原稿を執筆しているのは、平成13年12月14日で、青木建設の破綻の影響を受けて、債務免除を受けた建設会社は、軒並み株価が10円台となっている。銀行株も連日年初来安値を更新している。あさひ銀行の本日の安値は57円である。
  この時点で、業績および財務内容の良い株を少しずつ下値を拾っていくとか、倒産の可能性の全くないETFを買うのは、リスクの少ない投資である。